昨年は、元日に能登半島地震が発生し、復旧最中の豪雨災害、その後も別の活断層を震源とする地震が発生するなど現地の方々は新年を迎えても不安な生活を余儀なくされています。あらためて、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
近畿においても、8月に発生した日向灘を震源とする地震により気象庁が初めて「南海トラフ地震臨時情報」を出すなど警戒感が広がりました。
毎年のように発生する自然災害に備えて近畿地本は救援物資を備蓄していますが、各ご家庭でも万全な備えをお願いします。
併せて、被災後の生活再建や病気・ケガに備え、JP労組組合員だからこそ利用できる共済・保険がありますので安心した生活を送れるよう、ご加入を検討いただきたいと思います。
また、今年は阪神淡路大震災から30年の節目となることから震災の教訓を伝承していく催事を行います。その模様については、別途、本紙等でお知らせいたします。
国際情勢を見れば、ロシアのウクライナ侵攻から間もなく3年が経過しますし、中東での紛争は周辺諸国を巻き込んだ報復合戦の体を成し、停戦合意発効後も小競り合いが収まらず、何の罪もない子供たちをはじめ多く方々が犠牲となっています。
このような中、昨年の広島平和記念式典で小学6年生の児童が訴えた「平和への誓い」が大きく取り上げられました。
79年が経った現在でも多くの被爆者を苦しめ続けている現実、そして今もなお世界で続く戦争に対する思いを込めたものでありました。
その一節を紹介します。
「明日を共に過ごすはずだった人を失った人たちが、この世界のどこかにいるのです。本当にこのままでよいのでしょうか。願うだけでは、平和はおとずれません。」
多くの方が感銘を受けたと思いますが、この訴えが共鳴するかのごとく、昨年のノーベル平和賞は、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞することになりました。
奇しくも今年は原爆投下・終戦から80年の節目を迎えます。
混迷を極める国際情勢の中、核兵器廃絶の実現に向けて世界が大きく舵を切る契機になることを期待したいと思いますし、私たちJP労組近畿も平和で基本的人権が尊重される社会の実現をめざした活動と次世代へ繋いでいく取り組みを継続してまいります。
今年は、トランプ氏が1月20日の大統領就任式で名実ともに米国のトップに立ち、自国優先の保護主義を唱えていることから世界経済への影響が懸念されます。
国内に目を移せば、いよいよ4月13日から大阪・関西万博が開催されます。長引く物価上昇の中にあってインバウンドの拡大が想定される一方、特に近畿圏では物価高の体感が高まるのではないかと懸念しています。
私たち郵政事業を取り巻く環境は、30年据え置かれた郵便料金の見直しが叶いましたが単年度黒字しか見込めず、加速度的に進展する人口減少やデジタル化など、社会環境が大きく変遷する中で取扱数量や来局(店)者数の減少が顕著に現れ、大きな岐路に立たされています。
この間の春闘を振り返ると、厳しい事業環境を直視しつつ苦渋の判断を行いながらも、特に若年層に傾斜配分した賃金改善をはかってきましたが、長引く物価高は全世代に影響を及ぼしています。
新年を迎え「2025春闘」の取り組みが本格化し、労使自治による労働分配率の向上に挑むことになりますが、この間、私たち社員・組合員は要員不足の中、業務運行に精一杯取り組んできました。この先は社員の使命感に頼らせることなく「人への投資」に重点を置く経営の判断を求めていかなければならないと考えます。
一方、賃金改善には事業収益の確保が必須となります。これまで皆さんにご協力いただいたJP労組が描く「将来ビジョン」策定に向けて意見集約された「2025春闘方針(案)」が示されますので各職場で議論を活性化していただき、まもなく始まる春闘行動にご協力をお願いいたします。
政治をめぐっては、昨年の総選挙で野党の議席数が増加したことに伴い、衆議院の27委員会中、12委員会で野党が委員長を務めることになり、少数与党となった自公政権は不安定な政権運営を辿ることになります。
政権交代をめざす野党の伸長が国会審議に緊張感を与え、これまでの一強政治による政権運営とは違う多様な意見が反映されやすい民主政治に近づくと期待します。
また、小沢まさひと参議院議員は東日本大震災復興特別委員会の委員長に就任されましたのでこれまでの自然災害をふまえ、生活インフラである郵便局を「防災・減災対策の拠点」として利活用する視点で議論を深め新規事業の拡大に繋げていただきたいと思っています。
組織内議員を国会に送り続けるためには、地方議員の拡充が必須となります。
今般、1月26日投開票で執行される滋賀県高島市議会議員選挙にびわこ西支部の「井上 よしお」さんを近畿地方組織内候補に決定しました。
滋賀連協を中心に近畿一丸となって行動を展開して参ります。
政治の影響を受ける郵政事業にとって国政の場で政策提言を行う組織内議員は必要不可欠となります。今夏の第27回参議院選挙においては、JP労組に結集する仲間の総力を挙げて「小沢 まさひと」さんの勝利に向けた取り組みを展開します。
本年も課題の多い一年となりますが、組合員・退職者の会会員そしてご家族の皆さまには、JP労組運動へのご理解と支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。
結びに、本年が皆さまにとって幸多き年となりますようご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
2025 年 1 月
日本郵政グループ労働組合
近 畿 地 方 本 部
執行委員長 尾﨑 正一