また、年末から切れ目なく郵便物流業務に従事された組合員のみなさんにおかれては、年末の寒波襲来の中にあって無事に年賀状をお客様の手に届けられたことに敬意を表します。本当にお疲れ様でございました。
近年は高齢層を中心に「年賀状終活」という動きもあり、年賀郵便の引受は、年々減少の一途でしたが、今シーズンの年末年始は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大の影響もあり、帰省を控える代わりに年賀状を送られた人も多いとかで久々に年賀状に脚光があたった年でした。災害が起こる度にアナログの良さや力強さが見直されますが、今回の年賀状という手段もその一つであると感じます。
昨年の正月時点では、まさか2020年はCOVID-19が猛威を振るい、東京オリンピックが延期となり、世界中の経済が停滞するなどとは想像もしておりませんでした。一日も早く人類がCOVID-19に対する耐性をつけて日常的な生活を取り戻せるようにと願っております。また、政治に携わる方々は早急に傷んだ経済を立て直し、医療体制の拡充や生活困窮対策に全力を挙げるべきです。そういった意味では、15兆円あまりの予算を組みながら、的外れな政策を継続させて感染を広げた政権の責任は極めて大きいと考えます。
今年の私ども日本郵政グループ労働組合の課題ですが、まずはこの厳しい経済状況下において闘う2021春闘への対応です。昨年9月の中間決算を参考にすれば、かんぽ生命保険商品の不適正営業問題からの脱却はその途上であり、低金利政策が続く(株)ゆうちょ銀行は従来の銀行業務からの変革が求められており、金融二社においては引き続き厳しい経営状況が続きます。加えて郵便物流事業もCOVID-19の影響により郵便物数が対前年9.1%減、279億円の減収となり、昨年度から一転して厳しい決算が予想されます。
しかしながら、この間、エッセンシャルワーカーとして自らも感染リスクに向き合いながらも特別給付金申請書類やいわゆる「アベノマスク」の配達、窓口業務等に従事した組合員に対して報いることが必要であると考えます。コロナ対策の第一線で働く医療従事者への手厚い処遇と同様に社会生活になくてはならない労働者に対してもしっかりと手当てすることが求められています。私たちJP労組は厳しい経済状況下にあっても雇用と労働条件の維持は当然のこととして求めていく所存です。組合員とご家族のみなさんのご参画を要請します。
春闘課題以外にも今年は、郵便法改正に伴うオペレーション変更への対応やかんぽ商品の新たな販売態勢への移行と定着、(株)ゆうちょ銀行における経営基盤の強化等、私たちの労働条件に関わる課題が山積しており、労働組合としての誤りなき対応が求められています。
また、今年10月には衆議院議員の任期を迎えることから、今年は必ず総選挙が行われます。平和や人権を基調とした生活者や勤労者重視の政策実現のための政治勢力結集にむけた私たちの行動が求められています。
ただ待つだけでは物事は好転しません。仲間同士で話し合い、共に知恵を出し合い、行動することで私たちの会社と暮らしを少しでも良くしていこうではありませんか。JP労組近畿の運動に対し、今年も昨年同様のご理解とご協力をお願い申し上げて年頭のごあいさつとさせていただきます。
2021 年 1 月
日本郵政グループ労働組合
近 畿 地 方 本 部
執行委員長 岡田 陽平