さて、11月13日に日本郵政グループにおける2021年3月期末の中間決算が公表されました。郵政グループ各社の経営状況は、日本銀行のマイナス金利政策により、資金運用益に頼らざるを得ない(株)ゆうちょ銀行と(株)かんぽ生命保険の経営が厳しい状況は相変わらずですが、昨年好調だった郵便物流事業がコロナ禍による社会経済活動の停滞で郵便物やゆうメールの引き受けが大幅に減少したことに加え、国際郵便物の引受停止が大きく影響し、前中間期に比べて279億円の減収になりました。
また、現在週6日配達となっている普通通常郵便物の土曜日配達を休止し、週5日配達とすることと併せて引受から配達までを3日間としている送達日数を1日伸ばして4日間とする郵便法の改正法案が11月27日に参議院本会議で全会派一致により可決成立しました。今回の法案では、私たち労働組合が主張した①郵政民営化の総括、②郵便のユニバーサルサービスの維持とコストを明示すること、③雇用の確保と労働条件の維持改善等が盛り込まれた内容となりました。土曜日の配達休止は、郵便サービスの低下と郵便物流事業における働き方を大きく変えることになりますが、郵便物が毎年2%程度減少し、小荷物が増加している郵便物流事業において労働力を郵便業務から小荷物業務へと移動させることは喫緊の課題となっています。JP労組は組合員の雇用を守り、小荷物業務に携わる組合員の負担軽減のためにも労働力移動を着実に行う取り組みを進めます。詳細については今後の労使交渉で決めていくことになりますが、計画等が明らかになり次第組合員のみなさんにお知らせしますので組合員のみなさんのご理解をお願い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の拡大による失業者数は推計で7万人を超えて、働く仲間の雇用や労働条件に大きな影響を与えています。私たち郵政グループも大きな影響を受けているのは先ほど申し述べたとおりですが、雇用や労働条件が危機的な状況の時ほど、労働組合が必要とされる時はないと思っています。連合に加盟している労働組合の仲間も給与のカットや一時金の削減など厳しい状況におかれていますが、労働組合同士が連帯し、知恵を働かせて、組合員の雇用を継続し、生活を守るために奮闘しています。私たちも連合の仲間と連帯し、JP労組組合員はもちろん、連合に結集する組合員の雇用継続と生活を守るために活動を続けたいと考えています。JP労組に結集する組合員のみなさんのご協力とご支援をお願い申し上げる次第です。
今年はことのほか、厳しい冬になりそうですが、お互いに協力し合うことを忘れず、厳しい冬を乗り切っていきましょう。組合員のみなさんも事故や健康に留意され、年末繁忙を乗り切り、無事に新年を迎えられるよう願っております。
2020 年 12 月
日本郵政グループ労働組合
近 畿 地 方 本 部
執行委員長 岡田 陽平