また、今年の節分は124年ぶりに2月2日となるのだそうですね。これは、地球の回転が1年を365日にすると少しずつ誤差が出てくることから、うるう年で調整しているのですが、それでもなお誤差がでるのだとか。その誤差のために今年の立春は2月3日となり、その前日の2月2日が節分になるのだそうです。
さて、2月に入ると賃上げや労働条件の改善を求める春闘の取り組みも本格化します。今年の春闘は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済の失速により、非常に厳しい闘いが予想されており、新聞各紙でも「賃上げ 労使の溝深く」「春闘 コロナで一変」(1月27日毎日新聞)、「春闘幕開け 雇用か賃上げか」(1月27日朝日新聞)などの見出しが並んでいます。
私どもJP労組も今月4日、5日の二日間、本来は沖縄県で開催するはずだった第13回定期全国大会は、全国をリモートでつないで開催し、2021春闘方針や1年4か月後に迫った第26回参議院議員選挙での組織内候補者の擁立などについて組織決定する予定です。
コロナ禍による経済失速によって約8万人が解雇や雇止めという雇用の危機に直面し、自殺者も約11年ぶりに増加に転じたと言われているように社会全体の景気が悪化し、郵政グループの経営にも深刻な影響を与えています。しかしながら、我が国の平均賃金は1997年をピークに下がり続け、ここ数年で緩やかに上昇した名目賃金も物価や社会保障費の上昇を加味すると実質賃金は低下し続けています。元内閣審議官で法政大学の水野和夫教授は、これまで「いざという時」に備えて貯めてきた「内部留保金」を今こそ還元すべきだと主張します。
内部留保金の問題は郵政グループには直接当てはまるものではありませんが、JP労組組合員の平均賃金も格差拡大に伴って年々減少してきたことも事実です。新聞記事のように雇用と賃上げの二者択一ではなく、社会全体で雇用も守り、生活防衛や格差解消のためにも賃上げを求める春闘にしなければならないと考えます。
組合員のみなさんからは、「組合員と(組合)未加入者の処遇差をつけて欲しい。」とよく言われます。労働条件の改善は、労使交渉の成果なのですから、組合員の意見はもっともなことだと思いますが、労使協約が就業規則の元となり、就業規則が全社員に適用されている以上、組合員か否かで処遇差をつけることはなかなか困難なことです。しかしながら、自身は組合にも入らず、必要な活動もせず、労働組合が勝ち取った成果を悪びれもせず、享受し、権利を行使することがさも当たり前のようにふるまう利己的な彼らには我々がその誤りを糺す必要があると考えます。労働組合が強い態度で賃上げを経営側に迫れるのは、大多数の組合員の声をバックにしているからであり、その数が多ければ多いほど力は強くなります。その声の証として私たちは毎年署名に取り組んでいるのです。
現在の労働条件を築き上げたのは、私たちの先輩たちが日夜を問わず組織拡大行動に取り組んだ結果、郵政職域で圧倒的な組織力を発揮できる組織を作り上げ、その組織力を背景にした交渉で勝ち取った成果です。
今、私たちが当たり前のように享受している休暇や賃金なども労働組合の先達が時には弾圧に抗して勝ち取ってきた成果です。その成果の重みに思いを馳せて、維持し発展させる責任が私たちにはあると考えます。
2021春闘は、その責任を果たす取り組みです。
春闘行動への全組合員の参加を要請します。ともに頑張りましょう。
2021 年 2 月
日本郵政グループ労働組合
近 畿 地 方 本 部
執行委員長 岡田 陽平