委員長あいさつ

Greetings from the chairman
組合員のみなさまへ 2022年3月
政府は、コロナ感染が高止まりしている状況に加え、病床逼迫の現状から大阪・兵庫・京都を含む10都府県について「まん延防止等重点措置」の再延長を検討し、近々に最終判断するとしています。

2年を超えるコロナ禍の影響で原材料や原油が高騰し、既に値上げしているモノもありますが、3月から食品だけでなく電気やガス料金の値上げラッシュに突入し、家計を直撃することが懸念されます。
さらに、新型コロナの影響で、これまでの雇用調整助成金などの支出が影響し、雇用保険の財源不足に陥ったことから、保険料率を今年10月から引き上げるとして閣議決定され、今通常国会で審議されていますが、内閣提出法律案なので可決される見通しです。そうなれば可処分所得が低下することになります。

2月14日には、第3四半期の決算が公表されました。

損益計算書を見ると、グループ全体で1,900億円弱の減収、僅か130億円の増収であり、経費を削って利益を生み出す民営化以降のトレンドが続いている状況です。

中でも大きく影響したのが、かんぽ生命の経常収益3,000億円を超える減収、100億円弱の減益です。ゆうちょ銀行は、2,400億円を超える増収、600億を超える増益となりましたが、貸借対照表を見ると、資本剰余金も内部留保と言われる利益剰余金もそれぞれ8,000億円と4,000億円の減となっています。

また、日本郵便の郵便・物流事業は、コロナの影響で停滞していた国際郵便の引受再開があったものの、ゆうパックや年賀葉書の減収が大きく影響し、300億円弱の減収。郵便局窓口事業においては、保険及び銀行手数料が引き続き減少し、800億円を超える減収となっています。
さらに、先般、ゆうちょ銀行・かんぽ生命から管理機構を介して非課税で交付される2022年度の「郵便局ネットワーク維持交付金」の金額が決定されましたが、取扱数の減少や局舎工事費の減少等の理由から、前年度よりも102億円減少している状況にあります。会社の中期経営計画において、2025年度の営業利益50億の確保見通しを作成した際には、これらが加味されていませんでしたから相当先行きが厳しいと考えます。

※ 中間決算からの経営状況等については、「しばチャンネル」にも掲載されていますので、JP労組のホームページ(https://www.jprouso.or.jp/)を閲覧いただくことやJP労組のLINE公式アカウントをお友達登録して参考にしてください。

このような状況の中、春闘を迎えているわけですが、JP労組は2月24日、日本郵政グループ主要4社に対し要求書を提出し、3月16日の回答指定日に向けて、本部・本社間において春闘交渉が展開されています。

JP労組の主な要求テーマ・項目は、以下のとおりです。

①生活を維持し安心して働き続けるための賃金改善等
・ 正社員の定期昇給の完全実施を要求
・ ベースアップ6,000円を要求し、その財源で一般職全体と地域基幹職 等の初任賃金等の引き上げを求める
・ 正社員の一時金「4.5月」を要求
(※期間雇用社員の一時金については、労働協約で担保されています。)
・ 月給制・時給制で働く仲間の一時金引き上げ等を要求
②シンプルな賃金・手当制度への見直し
③安定的な労働力確保と事業の持続性確保に向けた労働力政策の見直し
④70歳までの就業機会の確保
⑤安心して働き続けることができる環境整備等
⑥長時間労働の是正

経営陣は、コロナ禍においてもエッセンシャルワーカーとして、業務運行を継続させてきた組合員の努力を評価するとともに最大限の報酬をもってしっかり応えるべきであると考えます。

また、これまで組合員の皆さんからは、会社の経営努力や事業経営に対する危機意識が感じられないとの声を多数いただいています。社員育成及び営業機会を踏まえた要員体制を検討すべきと思いますが、要員削減のみの経営では持続性のある事業を見越しているものとは考えられません。将来まで安心して働くことの出来る会社を切望している多くの組合員には会社の本気度が伝わっていないと強く感じています。

翻って、JP労組の力(交渉力・発言力)の源は、全国で働く24万人組合員の存在であって、現場実態や生活実態に基づく多くの声が力となり、これまでの労働条件の改善に繋がっているものです。
今春闘も多くの組合員・ご家族の皆さんに春闘署名にご協力をいただきましたが、こういった行動が中央交渉をバックアップすることになると確信しています。
前述したとおり、大変厳しい情勢下で闘う春闘は、これまでにない厳しい交渉が想定されますが、私たちにできることは、各職場においてJP労組運動に参画する仲間を一人でも多く増やすことです。それが中央交渉を支え、私たちの労働条件の維持・向上、処遇改善に繋がるものだと考えます。

コロナ禍に負けるわけにはいきません、果たすべき職責をしっかり果たしつつ、JP労組近畿一丸となって、2022春闘を闘い抜き、その力をもって「しば慎一」を国政の場に送り届けましょう。

 

2022  年  3  月
日本郵政グループ労働組合
近  畿  地  方  本 部
執行委員長  尾﨑 正一

ページトップへ戻る