さて、5月13日に日本郵政グループの2022年3月期決算が公表されました。
ゆうちょ銀行の外債投資信託等の運用成果により、同行とグループ連結の純利益は、2015年上場以来の最高益となっています。
しかし、ゆうちょ銀行は、今後、米国短期金利上昇に伴う外貨調達コストが増加することや日本国債の利息収入減少など逆風の経営を強いられるでしょうし、かんぽ生命は、日本郵便からのコンサルタントの受け入れ及び事業運営の定常化に伴い、700億円程度の必要経費が増加することを見込んでいます。
また、日本郵便の郵便・物流事業は、荷物の減少が継続することに加え、郵便局窓口事業においては、金融2社からの委託手数料収入・ネットワーク維持交付金の減少が続く極めて厳しい経営状況にあります。
これまで、決算公表時には次年度の通期業績予想が示されています。
今般の3月末決算も中間決算と第3四半期決算公表時に業績予想の修正がされましたが、3事業会社及びグループ連結の経常利益・当期純利益の業績予想と今回の決算は、ほぼ一致しています。
これらは市場環境を分析した結果や特別損失、法人税戻り等の税務処理も包含して予想しているものと考えますが、上場後、年を追うごとに精緻なものになっていると思います。
そして、2023年3月期の業績予想をみると、3事業会社及びグループ連結の経常利益・当期純利益とも大きな減収となり、いずれの事業も厳しい経営見通しにあります。
このまま成り行きに任せてしまえば営業利益は先細り、その先には一時金への影響は勿論、雇用と労働条件への影響も生じかねないことから、組合員の生活を守るため賃金の維持・向上をはかるとともに格差是正を着実に推し進めていく必要があります。
今月の15日、16日には、岡山県倉敷市民会館において第15回定期全国大会が開催されます。今大会では、前述したように私たちを取り巻く事業環境を意識しつつ雇用と労働条件を如何にして守っていくかという大きな課題について議論することが求められています。人口減少など社会環境が急激に変化する中、人材確保競争も激化が想定されるところですが、日本郵政グループにおいても、事業の持続性を見出しつつ、人材確保に向けた賃金改善をはかっていく必要があります。
そのためには、事業の構造改革が必要となるため、これまでお示ししている「JP労組が考える事業ビジョン(案)」の豊富化・具体化をはかり、その実現に向けて経営側に臨んでいかなければなりません。
組合員の皆さんには、今一度、全国大会議案にお目通しをいただき、各支部・分会(職場)での意見集約にご参加いただきたいと思います。
また、ユニバーサルサービスを課せられている以上、事業の持続性を確保するためにはユニバーサルサービスも持続可能なものにしなければなりませんが、これらは総じて政治的課題となることから、郵政政策実現のために経験と知恵を生かして役割を発揮できる国会議員の存在が不可欠になります。
私たちJP労組は、郵政労働者のために尽力いただく議員として、しば 慎一 中央副執行委員長を国政の場に送り出すことを決定し、これまで取り組んできました。
是非とも、組合員・退職者の会会員、そしてご家族の皆さん絶大なるご支援により、しば慎一さんを国政の場に送り出せるようお願い申し上げます。
投票行動こそ、最善の課題解決方法と考えますので、皆さんには必ず投票に行っていただきたいと思います。それぞれの立場で勝利に向けた悔いのない活動を展開しましょう。
2022 年 6 月
日本郵政グループ労働組合
近 畿 地 方 本 部
執行委員長 尾﨑 正一