一方で、感染力が高い変異株に置き換わったことで感染者数が桁違いに増加し、死亡者数は昨年12月から1月末の2ヶ月で1万8千人を超え、これまでの死亡者数の26%を占めるなど、収束には至っていません。
そのような中、感染リスクと対峙しながらも日々業務に尽力いただいている組合員の皆様に敬意を表します。
また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年が経過しますが、ロシアの侵攻はとどまることなく、連日多くの犠牲者が出ていることが報道されています。JP労組は、戦時下にあるウクライナ郵便労組の支援に取り組んできましたが、現下の情勢から軍事侵攻の長期化が予測されます。
ついては、平和の尊さを学ぶ機会の設定とともに、支援カンパ活動の取り組みを継続してまいりますので、引き続きのご協力をお願いいたします。
さて、JP労組は2月9日に第23回中央委員会を開催し、2023春季生活闘争方針を確立しました。
昨年からの世界的な物価高を背景に国民生活はますます苦しくなっています。
そのような中、年頭の記者会見で岸田首相は「物価上昇分を上回る賃上げの実現」を企業に求めていく考えを示しました。これを受けて経団連も「この物価高の中、賃上げは企業の社会的責務である」との認識をもって会員企業に賃上げを呼びかけるとともに、「総合的な処遇改善・人材育成を積極的に呼びかけていく」との基本方針を表明したところです。
一方、連合は、25年以上引き上げられず、国際的に見劣りする日本の賃金を世界水準まで継続的に引き上げることを目指し、定期昇給分2%に物価上昇分としてベア3%を加えて、5%程度の賃金引き上げを求める方針を確立しました。
まさに、政府・連合・経団連、いわゆる政労使がデフレ脱却に向け、25年以上置き去りにされてきた賃上げの実現によって消費の拡大に繋げつつ、持続的・安定的に経済を回していくとの共通認識に立ったといえます。
こうした情勢を鑑み、2023春闘はこれまでの春闘のように単年度の企業業績に応じた交渉を行うのではなく、将来の日本経済を見据えて継続的な賃上げに結び付けていくための第一歩にする必要があると考えます。
また、少子化に伴い生産年齢人口が減少する中で物価高とも重なり、中小企業では人手不足倒産といった事態も招いている状況です。激化する人財確保競争の中にあって、私たち郵政職域は労働集約型の事業であり人財確保は喫緊の課題です。
経団連に加盟する日本郵政が、どのような形で「人への投資」を行うのか今春闘でしっかり見極めていかなければなりません。
いずれにしても、23春闘は物価高に苦しむ組合員の生活を守ることを第一義にベースアップに強くこだわり、事業の将来を担う若年層や低賃金におかれている一般職の賃金改善を重点に交渉に挑むことになります。
組合員の皆さんには、既に展開いただいております「春闘署名」「朝ビラ」等の取り組みに感謝申し上げます。
現在、支部別春闘決起集会の取り組みをお願いしています。近畿各支部で集約いただいた意見を基に近畿の意見として第23回中央委員会に臨み、その報告も兼ねて開催するものです。組合員の皆さんの積極的参加をお願いしておきたいと思います。
労働組合が強い姿勢で経営側に迫れるその力の源は組合員の団結です。その数が多いほど発言力は増していくことになりますので、春闘署名をはじめ組織拡大の取り組みに積極参加いただき、組合員・ご家族のため、2023春闘勝利に向け共に闘ってまいりましょう。
2023 年 2 月
日本郵政グループ労働組合
近 畿 地 方 本 部
執行委員長 尾﨑 正一