昨年はJP労組近畿の諸活動にご理解とご協力を賜りありがとうございました。特に統一自治体選挙では、神戸市議会議員選挙でたなびき 剛、続く夏の参議院議員選挙において小沢まさひと、両名の組織内候補に組合員・退職者の会・ご家族、支援団体のみなさんから絶大なご支援を賜わり、見事に初陣を飾ることができました。重ねて御礼を申し上げます。
参議院選挙前後から「かんぽ生命保険の不適正募集問題」が新聞やテレビ等で報道され、その後の金融庁や総務省による調査を経て、昨年12月27日に監督省庁から業務改善命令と本年1月1日から三か月間に及ぶ業務停止命令が下されたところです。私どもJP労組近畿地方本部は行政処分を受けるまで会社の体質を改善できなかった労働組合としての弱さを率直に反省するとともに、処分を厳粛に受け止め、国民・利用者の信頼回復に全力を挙げる所存です。
一連の騒動において郵政事業の行く末や自らの将来設計への不安を持つ組合員・ご家族のみなさんの心中を察するに余りあり、心が晴れぬ思いで新年を迎えられた方が大半だと思います。経営責任については日本郵政(株) 長門社長、(株)かんぽ生命保険 植平社長、日本郵便(株) 横山社長ら経営陣が退陣し、新たに日本郵政(株) 増田社長、(株)かんぽ生命保険 千田社長、日本郵便(株) 衣川社長が就任されました。
しかし、金融庁が処分の理由とした態勢上の問題等について何ら改善策は明確にされておらず、同時に今回の問題に関わった社員や不適正募集を助長した管理者や社員等の責任は明確にされていません。JP労組近畿地方本部としては、何よりもまず、宅配便事業統合で問題となったガバナンス欠如の企業風土が全く改善されていないことが、今回の問題につながったと認識しており、これまで企業風土の改善に向けて真剣に取り組んでこなかった経営側の姿勢について糺す必要があると認識しています。
さらに今回の問題において、会社の構造的欠陥を具体的に指摘できなかった責任労組であるJP労組の活動の弱さも浮き彫りになりました。労働組合には、経営側首脳陣に現場での問題を伝える「神経」の役割があると例えられます。今回の問題では、JP労組が郵政グループにおける「神経」に成りえなかったという反省に立ち、業務改善命令に基づく組織体制や業務の変化等について早急に明らかにさせ、今日まで真面目に業務に取り組んできた組合員の雇用確保を最優先課題とし、組合員の不安払拭に努める所存です。併せて、行政処分に発展するまで問題を大きくさせた原因と背景を明らかにさせ、再発防止にむけた改善策を早期に示させるとともに不適正募集を助長・拡散させた管理者等の責任について明らかにさせるよう経営側に求める決意です。
会社が危機的な状況であるときにこそ、労働組合が真価を発揮しなければならないと考えています。JP労組近畿地方本部は、郵政グループの責任組合としてこれまでの至らなかった点について真摯に反省し、社会や顧客の負託に応えることのできる労働運動の構築にむけて全力を尽くす決意です。今年も皆様のご指導ご鞭撻をお願い申し上げ、新年を迎えてのご挨拶とさせていただきます。
2020年1月
日本郵政グループ労働組合
近畿地方本部
執行委員長 岡田 陽平